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エゾエンゴサク(Corydalis ambigua subsp. azurea)

ギリシャ語:ヒバリ     ラテン語:疑わしい     亜種       空色

真正双子葉類・キンポウゲ目・ケシ科・キケマン属

草丈:10~20㎝

薬用植物の延胡索(えんごさく)に似ていることと、北海道に自生することから蝦夷(えぞ)延胡索(えんごさく)の和名がついた。

 

国外では南千島、樺太、オホーツク沿岸に産し、国内では北海道に分布する。

本州にも分布すると思われていたが近年

「オトメエンゴサク」という別種に昇格したので、​日本では「エゾエンゴサク」は北海道特産種という事になった。

 

春の一定期間にしか姿を見せない※スプリング・エフェメラルのひとつ。

 

キケマン属の仲間では珍しく無毒であり、風味も良いため食に適する。他のキケマン属は葉をちぎると悪臭が漂う。

 

塊根は肥大化するためアイヌの人たちは「トマ」と呼び、乾燥させ保存食としていた。

 

花の色は稀に白色、桃色、藤色のものがあり、また葉の形にも変異が多い。

 

それぞれ、

白い花=シロバナエゾエンゴサク

(Corydalis ambigua forma albiflora)

細い葉=ホソバエゾエンゴサク

(Corydalis ambigua forma lineariloba)

​と区別される。

 

※スプリングエフェメラル・・・生物学用語で直訳すると「春の儚い命」。春限定で地上に姿を現す植物(カタクリ、エゾエンゴサクなど)を指す。例外として昆虫に用いる場合もあり、その時はチョウ類(ギフチョウ、ウスバシロチョウなど)に使い、同時期に現れるツチハンミョウ類等には使わない。エフェメラルはラテン語で「カゲロウ」を示し、期間限定の植物を寿命の短いカゲロウに例えたのだろう。

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