「生きている物が衰退し、崩壊してゆくのは至極当然である。」
ビッキが自然と民族の関係を自覚したカナダでの滞在から帰国後、かたちを前提とする造形から解放され、樹氣と同化し、潔く樹に向き合ったのです。そして生み出された「TOH」は、彫刻家・砂澤ビッキと樹氣との対話が聴こえてくる作品として誕生しました。ここは樹氣との対話を存分に興じる空間です。
「TOH」(1984年)
1984年1月、カナダから帰国したビッキは「樹」の心を求める。「TOH」の題をもつ作品は他に3点あるが、その中でも樹の成りたい姿に彫った傑作が展示されている。作品の鑿(のみ)の後に、ビッキの心情が映っている。
素材:クルミ