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 1986年から「風」をテーマに制作をはじめたビッキ。

 詩集『青い砂丘にて』でも知られるように、詩人ビッキは「言葉」を巧みに操りながら、1988年の秋に風に対する想いを詩にしたためました。

 ビッキと向き合う時間から、あなたに届くメッセージとは・・・。

風よ

 

お前は四頭四脚の獣

 

お前は狂暴だけに

 

人間達はお前の中間のひとときを愛する

 

それを四季という

 

願はくば俺に最も

 

激しい風を全身にふきつけてくれ

 

風よお前は

 

四頭四脚なのだから

 

四脚の素敵な

 

ズボンを贈りたいと

 

思っている

 

そうして一度抱いてくれぬか

 

 

 

1988 秋 ビッキ

 

 

 ビッキが札幌愛育病院で亡くなった後、ビッキの体は筬島地区に戻ってきた。友人である数々の作家の手によって、顔に石膏を流しデスマスクが作られた。

(阿寒在住の彫刻家・藤戸竹喜氏より寄贈)

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